2017年9月22日

学校立て直しに適したリーダーは「建築家」タイプ

イギリス教育省が411の学校の建て直しに新校長を送り込んでそれぞれのやり方で改革させたんだが、ほとんどは成果が無く、しかし僅かに成功したところもあった。リーダーを5種類に分類し、どれが成功したのかを分析した話

タイプ1: 外科医
リソースを移植して短期的な課題に集中しようとする。体育や宗教学の教師であることが多く、勤勉さに価値を置く適者生存主義者。高収入でナイト爵も多い。就任から1~2年で試験の成績を急上昇させるが、彼らが去ると元の木阿弥

タイプ2: 兵士
学校は無駄の多い官僚組織だと認識していて、コスト削減に走る。化学と情報系の教師出身であることが多い。彼らが去った後の学校はかなり悲惨なことになりがち

タイプ3: 会計士
学校に必要なのはカネだと認識しており、予算獲得と投資(多角経営)に走る。数学教師出身が多い。小学校を買収して収益拡大を狙ったり、学校施設をジムや会議場に転用したりなど。しかし教育の質を高めることにはあまり努力しない

タイプ4: 哲学者
教育に情熱を持っており、議論を好む。学校の抱える問題を「教え方が間違っている」ことだと認識している。元語学教師が多い。雄弁で、現場の教師からも歓迎される。他校の教師とも積極的に交流する。しかし現実を変えることは得意でない。イギリスの校長にもっとも多い(81%)

タイプ5: 建築家
唯一成功したタイプだが、成果が出るまで時間がかかるので世間/教育省からあまり評価されない。学校をより上手く動くようデザインしなおすこと、そして地域コミュニティとの協力を課題と考える。歴史学か経済学出身で、企業でしばらく働いたのちに教育界に移ってきた人が多い

分析:
多くの人は「教育が失敗するのは教え方のせいで、教え方を改善すればいい」と考えるが、これは間違った神話である。必要なのは学校のカルチャーと環境、そして生徒の態度を変えること。クラスの人数は少ない方がよく、理想は1クラス15人。ゼロトレランスは逆効果。地域コミュニティが重要

https://twitter.com/raurublock/status/910768076941008902

0 件のコメント:

コメントを投稿